臨床実践の現象学会第4回学術大会
テーマ:私たちの実践って何だろう
日時:2018年8月4日(土)
場所:大阪医科大学
新着情報
大会長ご挨拶
臨床実践の現象学会第4回大会のテーマは、「私たちの実践って何だろう」です。過去3回の大会は、方法としての「現象学」を中心的なテーマとしていましたが、今回はいよいよ、この学会の主題的な対象である「実践」をテーマとして考えてみたいと思っています。
ここでいう実践は、特定の分野の実践だけに限られません。私たちの日々の行為や言動、思考等は、すべて何かの実践である、またはその一部であると捉えることができるでしょう。専門的なものや職業的なものから、日常生活に含まれるものまで、じつに多様な実践があり、またそれぞれに固有の場(=臨床)があります。
これらの実践は、現象学にとって、もっとも「具体的なもの」であり、それゆえもっとも複雑なものです。たとえば個々の知覚や判断等は、実際の文脈の中では、実践に含まれる特定の局面にすぎませんが、実践は、それらを含めたより大きなまとまりであり、そこに複数の人がかかわっていることも少なくありません。この具体的な実践にあらためて目を向けるならば、その中には、(あたり前のように行われていたとしても)まだ十分には知られていないようなことがたくさん含まれているでしょう。大会での諸議論を通じて、実践に含まれるさまざまな側面について考えていくための手掛かりが得られることを願っています。
大会企画の大ラウンドテーブルは、「人とかかわり、意味が生まれる」をテーマとし、アンドロイド研究を通して人のコミュニケーションの成り立ちを考えている大阪大学の吉川雄一郎氏(調整中)、地域で障害を持つ人との共生について実践を積み重ねている堺市のNPO法人kokoimaの小川貞子氏に登壇をお願いしました。本学会事務局からは村上靖彦が登壇します。実践にはしばしば、人と人とのかかわりが含まれていますが、よく見るとそこでは何かとても複雑なことが起こっているようです。それぞれ異なった分野からのお話をいただきながら考え、議論することで、新しい発見があると期待しています。
関心を持つ多くの方々のご参加をお待ちしております。
小林道太郎(大阪医科大学)